南天の実に寄せて
昨年の6月
梅雨に入ったというのに抜けるような晴天
南天苑のお庭でのことでした。
南天の花ですか?
お女将さんは「そうなんですよ~」と教えてくれました。
南天の花
いままでもきっと何度も目にしながら
今までそれだとは思わず
気にもしなかった。
きっと、その実があまりにも
鮮やかだから・・・。
冬枯れの季節でその存在が際立つから・・・
彩夏の季節にあっては
たくさんの花の中では目立つこともなく
華やいでもいない。
そもそも
実をつけるために咲くのが花🌸ならば・・・
それでもいいかな・・・
花咲くことがゴールではない・・・。
そう、実を付けずして
未来に繋がることはないのならば
目立たぬ花でもいいではないかと思う。
などと、南天の花の肩を持つ。
あれやこれやと思いめぐらしていました。
そのときに心に描いたのは
雪の降る積むお庭に鮮やかな南天の実でした。
清流亭の露天風呂で温まり
夜が更けるまで
囲炉裏を囲んでお話をして
眠くなれば、せせらぎの音を聞きながら眠る。
その夢を叶えるために
赤い果実が鈴なりになるお庭を訪ねました。
時々は千両やクロガネモチの赤い実と紛らわしい。
雪の積む庭に生える赤を期待しても
この暖冬ですから・・・。
この辺りは
南天の里で、どこを歩いても赤い実に会える。
白い花は「深すぎる愛」「募る愛」
そして
赤い実は「私の愛は増すばかり」
赤い紅をさした女人が見え隠れする。